ひどい闇だった…。
俺が目覚めたのは、下水道の中だった。

うっ…ここは？

周りの仲間達は、みんなやられたらしい……。

クソ……。

俺は悪態を付きながら下水道を抜けて行く。

仲間の死体を踏み越えて……。

Gウイルスを奪取したまでは、よかった

だが、ウイリアム自身がGに感染するとは、思わなかった。

俺は走る！走る走る！

そして下水道の出口が見えた…。






ハンクは階段の下でサブマシンガンを構え

深呼吸をして何が起きても驚かないようにと自分に言い聞かせていた。
背後に広がる下水道の不気味な静けさは
どんな気丈な男でも
恐れを抱かせる威圧感を醸し出している。
ハンクは、使えるか分からない無線機を出した。

ギャギャキーンザッザザー

入ってくるのは、ノイズばかりである。

ザッザザーピー　こっ　ザザー　ちら
アンブレラ回収チーム　ザザーザッザザー
生存者は、いないのか？

無線機は、まだ壊れていなかったのだ。
すかさずハンクは、

こちらG回収チーム生存者一名
回収をたのむ！
ザッザザー　了解！警察署のヘリポートに着陸します。
急いでください！　ザッザザー
了解！
無線を切るとすかさず走り出した。

階段を登りきると、数メートル先で火事が起こっていて、
炎上している車と家がパチパチと音をたてていた。

ハンクが炎の中をうかがうと、いくつかの影が見えた。

動かない影は、おそらく墓石だろう。
少しばかりの安堵を覚えた。

ゆっくり前に進む
化け物が出て来てもすぐ対処するためだ。
U字の道を右に曲がり、出口へと向かう。

その時、身体が飛ばされた。







ハンク編　　続く

[12回]